ご挨拶

一般社団法人日本特殊教育学会
理事長 野呂 文行

本学会は、まもなく設立60年を迎えようとしています。「60歳」と言えば、人間では「還暦」に相当します。還暦には「赤ちゃんに還る」という意味があるそうです。つまり本学会もこれからの時代を見据えて、生まれ変わる必要のある時期を迎えているのかもしれません。

一方で、時代の流れに左右されない普遍的な価値も存在すると思います。それを見出し、大切にしていくことも求められています。それを象徴するのが、本学会の名称です。特別支援教育が浸透するにつれて、「特殊教育」という表現を目にすることが少なくなってきております。その中で本学会が「特殊教育」という名称を使用し続けているのは、現在の特別支援教育の礎となっている「特殊教育」の時代の研究的・実践的な知見を大切にしたいという思いがあるからです。

機関誌の編集方針や年次大会の在り方など、時代の流れに沿って変化させるべきものと、学術的知見など変化させるべきではない普遍的なものを見定めながら、学会員の先生方のご協力のもとで学会運営をしていきたいと考えております。よろしくお願いいたします。